本編

2016年4月25日 (月)

第七話/ぱーぷる、れいん

おはようございます。
菊千代です。

もうすぐ、雨期も明ける。
地球の雨は殆ど無色でしょう。

こちらの雨も殆どは無色です。
しかし、こちらは時期に拠って、色が着く事がある。
そろそろ雨期も明けようかという、この時期には紫色の雨が降ります。

そんな紫色の雨水を吸った植物の葉は、少し黒っぽくなったりもする。
紅葉ならぬ、黒葉とも言うべきか。

真っ黒ではない、限りなく緑に近い黒。
いや、限りなく黒に近い緑と言うべきかもしれない。

とにかく一面、黒葉に覆われた自然もまた、壮観である。

今はまだ、文章しか地球の皆さんにお届け出来ないので、地球の皆さんにお見せ出来ないのが残念だけど、仕方がありません。
いずれ画像も地球の皆さんにお届け出来る日が来る事を待つ事にしましょう。

その代わりと言っちゃ何ですが、もう一つ、地球の皆さんが驚くであろう話をさせて頂こうと思います。

それは、こちらの世界には正真正銘の植物人間が居る。

地球の植物人間は事故なり病気なりで動物的な行動の一切が出来なくなって、回復の希望を託されて延命治療を受ける者でしょう。

しかし、こちらの世界には植物から進化して、高度な知能と動物的な運動能力をも兼ね備えた、地球人からしたら驚くべき人類も存在しているのです。

因みに地球にもミドリムシという、運動能力を手に入れた植物は存在するので、将来は地球にも、その様な植物人間が誕生する事もあるのかもしれません。

そして、その植物人間なのですが、基本的なエネルギーの補給は植物と云えども人間なので、地球人と同様に食事になります。

しかし驚くべきは、それが絶対条件にならない事。
要するに食事をしなくても、光合成で生命を維持する事が出来る。
運動能力などの能力そのものは低下する様ですが、太陽光、水、二酸化炭素が揃えば生き続ける事が可能。

更に植物人間にとって食事は内臓に負担を掛けるので、食事の量が少ない者程、長命になる事が確認されている。
食事をすれば活発な運動を可能にするけど、活発な運動は肉体の寿命を縮めてしまう。

ひょっとしたら、地球人も同様なのかもしれません。
スポーツ選手が短命だとの話は聞いた事があるので。
それも、どこまで信用出来るのかは分かりませんけどね。
最新の地球の科学で、その辺は明らかになっているのでしょうか!?

しかし、こちらの世界に居る私には知る術がありません。

とにもかくにも、その様な訳でこちらの世界の植物人間は地球人からしたら、考えられない程に高齢な方も居る。
何百歳という方も居るのです。

更には、もっと驚く様な人種も、こちらの世界には存在するのですが、それについてはまた、別の機会にお話させて頂こうと思います。

それでは今日はこの辺で。

2016年1月20日 (水)

第六話/だいあもんど、どっぐす

こんにちは。
菊千代です。

今日はつい先日に行った、牧場の話をしたいと思います。
地球の牧場では牛や羊、馬などが多いでしょうか。

しかし、こちらの世界の牧場では犬が多いのです。
所謂、乳犬とでも言えばいいのでしょうか。

母乳を大量に出す種の犬が居て、その犬乳を我々人類が口にしているのです。

また、こちらの世界には地球とは違って、食肉用の家畜が一切、居ません。

動物性蛋白質は殆ど、人工化されたもので賄っています。

唯一、飲料として動物の母乳が一般的に飲まれていて、その中でも犬乳が一番多く消費されている。
というのも、この乳犬、地球の象くらいに大きかったりもするので、大量に搾乳も出来るのです。

更に草食動物の牛等よりも、雑食化した犬の母乳は栄養面のバランスも自在に調節出来るという利点もある。
そのような事情で、こちらの世界の牧場には犬が居るのが一般的だった。

そして、こちらの世界の犬には、もっとびっくりする様な犬も居る。
つい先日、行った牧場に、その犬が居た。

家畜としての犬ではなく、牧場主の方のペットとして、その犬は、その牧場でマスコット的な役割をしていたのである。

そして、その犬は、なんと、全身がダイアモンドで出来ていた。
犬の形をしたダイアモンドではない。

ダイアモンドで出来た、正真正銘、生きた犬である。

大きさは地球の小型犬程だったが、毛も体も何もかもがダイアモンドで、話によると体液もダイアモンドだったりするらしい。

色は透明ではないが、光を反射して、見た目はダイアモンドにしか見えない。

しかし触ってみると、その体毛や体の肉はとてもダイアモンドとは思えない程、軟らかい。

それでも、ダイアモンドではあるらしい。

地球の常識からは考えられないが、こちらの世界では、その様な不思議な事が山の様にあるのです。

今後も少しずつ、その様な事をお伝えしていって、地球の皆さんに色んな刺激をお届け出来たら幸いです。

という訳で、また次回をお楽しみに。

2015年10月22日 (木)

第五話/パートナー

こんにちは。
菊千代です。

今日は僕のパートナーを紹介したいと思う。
精霊の星出身の雷羅です。

彼女は精霊の星で生まれ育ち、六年程前に、この世界に迷い込んで来たそうな。
そして、この世界に迷い込んでから、最初に出会った人間が、たまたま僕だったみたいなのです。

僕と彼女はこの家の裏にある、竹林で出会いました。
僕が筍を掘りに行くと竹林の中で彼女が倒れていたのです。

そして僕は彼女を介抱して、行く当てのない彼女と共に、此処での共同生活を始める事になりました。
それに当たり、僕と彼女は正式にパートナーとなったのです。

この世界では何の理由もなしに、誰かと一緒に生活する事は許されていません。
そして僕や彼女のように別の世界から迷い込んで来た方が当面の生活をする施設はあるのです。

かく言う僕も、この世界に来た当初は、その施設で生活をしてもいました。
だから本来はそこへ彼女を連れて行くべきではあったのでしょう。

しかし彼女の美しさに魅了されてしまった僕は、どうしても彼女を手放したくなくなってしまい、偶然を利用して無理矢理、彼女の保護を買って出たのです。

勿論、僕から見て彼女は異星人であるので、パートナーになるとなると不安も少なくはなかったのですが、それを差し引いても尚、彼女に傍に居てもらいたかった。
そして彼女の傍に居たかったのです。

彼女の方も最初は助けてくれた僕の保護を断る事が出来なかっただけ、なのかもしれませんし、不安や戸惑いも大きくはあったでしょう。

それでも、共同生活をしていく中でお互いが少しづつ、信頼を築き、愛を育み、今ではお互いが幸福を感じる事も出来る様になっていると思います。

そして彼女にはこれまでに沢山、助けられてもきました。

最初に助けたのは僕の方なのですが、それ以降は僕の方が彼女に助けられっぱなしと言っても過言ではありません。

と言うのも、彼女は精霊の星出身という事もあり、自分が守護を受けた精霊の力を借りて、魔法を使う事が出来ます。
そして彼女は風の精霊の守護を受けているので、風の魔法の一つであるテレパシーを使って言葉が通じない相手との意思疎通が出来た。

だから様々な世界から様々な存在が迷い込んで来る、この世界で彼女は非常に貴重な存在でもあります。
そして彼女の存在は僕だけでなく、この世界にいる、多くの方々の助けにもなっている。

また以前にこの世界で僕は結構な有名人だと申しましたが、彼女はそれ以上に有名でもあります。

そして彼女がいなければ、僕が有名になる事も出来なかったでしょうし、そうなると、この様に地球の皆さんにこちらの世界の事をお伝えする事も出来なかったのかもしれません。

そう考えると、僕は彼女にいくら感謝をしてもしきれない様に思ったりもするのです。

そして、そんな彼女との出会いに最大級の感謝を。

それでは、今日はこの辺で。

2015年10月14日 (水)

第四話/ざ、らいおん、すりーぷす、とぅないと

こんばんは。
菊千代です。

先程まで降っていた雨もあがり、今は夜空に星も瞬いている。
こちらはまだ雨期の真っ只中ですが、束の間の晴れ間が我々に、この世界の素晴らしさを、より強く示してくれている様に感じたりもします。
こんな夜はライオン達も狩りを辞めて、のんびりと眠っているのかもしれません。

地球では不夜城などと例えられたりする様に、夜であっても昼間と変わらずに過ごす事も出来ますが、こちらでは夜になったら真っ暗です。
勿論、火を焚く事はありますが、そんなに遅くまで起きている事は先ずありません。
基本的に暗くなったら寝て、明るくなったら起きる。

その様なリズムで生活をしているのです。
だから今この時間に、こちらの世界で起きているのは僕だけなのかもしれません。

それは決して大袈裟ではなく、寝付けているかどうかはともかくとして、殆どの人が床にはついているでしょう。
無理に起きていても何もする事はありません。
薪を無駄に消費するだけになってしまうのです。

恐らく地球でも数百年くらい前までは、この様な感じだったのかもしれません。
そう考えると、まるで数百年前の地球にタイムスリップした様に感じたりもします。

こんな事を言うと、こちらの世界の方が地球よりも発展が遅れている様に思われるのかもしれませんが、実際にはそうではありません。

こちらの世界では別次元の世界から人と共に様々な文化や、高度な技術も迷い込んで来るので、地球より技術力という点では遥かに進んでいます。
そうでなければ、次元の違う地球の皆さんに僕の言葉を届ける事は出来ないでしょう。

地球よりも遥かに進んだ技術を持ちながらも、その技術に寄り掛かったりはせずに、自然を大切にして、自然と共に生きる道を選んでいるのです。

僕はこの世界に迷い込んで来て、最初は戸惑いも大きく、地球に帰りたいと思う事も少なくはなかったのですが、高度な技術に依る豊かな生活よりも、自然を大切にする事に因って、豊かな世界を保とうとする価値観に大変に感銘を受けて、今では、この世界に迷い込んで来れた事を幸福にすら思える様になりました。

そんな幸福を地球の皆さんに少しでもおすそ分け出来たら、これに勝る幸いはないかと思ったりもする。

それにしても、本当に素敵な星空です。
こちらの人達は星空を愛でるような感覚はありません。
だから今この瞬間、この星空は僕だけのもの。

しかし私にも明日の生活があるので、そろそろ休ませて頂きたいと思います。

お休みなさい。

2015年9月29日 (火)

第三話/はぶ、ゆー、えばー、しーん、ざ、れいん

こんにちは。
菊千代です。

今日は生憎の雨です。
こちらの世界では昨日から雨期に入りました。
それからというもの、ずっと雨が降り続いています。

地球では大雨が降る事で災害に繋がったりしますが、それはこちらでも変わりません。
寧ろ、こちらの方が頻繁に水害には見舞われます。
本当に日常茶飯事の様に思います。

しかし誰もその事を恨んだりはしません。
水害に限った事ではないのですが、自然災害は常に我々と共にあるのです。
日常の一つと化してもいる。

勿論、それにより大切なものを失う事もあります。
しかし、それを無理に否定しようとはしません。

所詮、この世は飛花落葉であり、全ては行雲流水の如く。

命には限りがあり、限りがあるからこそ尊いのです。

地球にいる時は、どちらかと言うと「死」は否定すべきものだと僕は思っていましたし、地球人はその様な感覚の方が多いのではないでしょうか。

しかし、こちらの世界では「生」も「死」も、どちらも自然の営みの一つにしか過ぎません。

「生」も「死」も我々の生活のすぐ傍に位置しています。

だからこそ、常日頃において「生」という未来が尊ばれ、同時に「死」という過去もまた尊ばれもする。

どちらが正しいのかはわかりませんが、少なくとも僕はこちらの方が水に合っている感じがします。

そして、こちらの世界では、それら全てを「くやほが」に委ねてもいる。

「くやほが」とは何なのか。

地球で言うところの「神」の様なものでしょうか。
いや、「神」以上の存在と言った方がいいのかもしれません。

世界は常に一つであり、全てである。
その一つとは「くやほが」であり、その全てもまた「くやほが」なのです。

そして我々の存在は「くやほが」の一部でしかなく、また我々の歴史も「くやほが」の一部でしかない。

そのような信仰ともいうべきものが、この世界を支配しているのです。

地球の方々にはちょっと解り難いのかもしれませんね。
僕も最初は戸惑いました。

しかし、こちらの世界ではこれが当たり前なのです。
そして、その当たり前に身を委ねる事で案外と、僕にとっては水が合ってしまったという感じでしょうか。

地球の外にはこんな世界があったりもするんですよ。

2015年9月26日 (土)

第二話/ざ、はうす、おぶ、らいじんぐ、さん

おはようございます。
菊千代です。

今日は本当にいい天気です。
僕の家は頗る日当たりが良く、天気のいい日は余り遅くまでは寝ていられません。
眩しさと暑さで嫌でも起きざるを得ないのです。

そう言えば、僕が以前に住んでいた地球では太陽光を利用してエネルギーを作り出したりしてましたね。
しかし、こちらの世界ではそんな事をする必要はありません。
そもそもガスも電気も何も無いのです。

それでも皆、何不自由なく平穏に暮らしています。
正に、五風十雨という感じでしょうか。
余り欲張ったりしなければ、何事も順調になるものです。

こちらで生活するようになってからというもの、その事を痛感するようになりました。
地球人は贅沢ばかりしてるなって、つくづく思います。

かく言う僕も地球に居た時は随分、贅沢もしました。
その事をこちらの方にお話すると興味津々で聞いて貰えます。

そうなんです。
実は僕、こちらの世界では結構な有名人だったりするんです。

地球の話をこちらですると皆さんに喜んでもらえて。
それで多くの方々から沢山の頂き物を貰えるんです。

こちらの世界は地球と違って貨幣経済ではありません。
完全に物々交換、或いは物と労力の交換、後は、余ってるところから足りないところへの譲渡。
それらで成り立っているのです。

そんな中で地球の事をお話しする事で、必要な物を手に入れる事が出来る僕は本当に恵まれていますね。

今思うと、こちらに来て良かったなと、心底思います。
地球に居たままだったら、僕はどうなっていたのでしょう。

ふと、そんな事を思ったりもしますが。

さて、次回は何のお話をしましょうかね。

2015年9月25日 (金)

第一話/自己紹介

こんにちは。はじめまして。
源 菊千代と申します。

僕の遠い先祖は地球という星の日本という国において、ものすごく有名な一族でした。

しかし、今、僕が居る、この世界で僕は一人の地球人でしかありません。
今、僕が居る、この世界は次元の狭間にあり、様々な次元から、様々な人やら、様々な物やら、あらゆるものが迷い込んで来る。

かくいう僕も十年程前にこの世界に迷い込んで来たのです。
当時の僕はまだ大学生でしたが、学校には殆ど行かず、毎日、毎日、飽きもせずに合コンばかりしていました。

そのバチが当たったのでしょうか。
気がついたら、この世界に迷い込んでいたのです。

それから十年程の年月が経ち、この世界に来た当初、独りぼっちだった僕にも、今や大切な家族も出来ました。

実はこの世界には地球で云うところの結婚の様な儀式はありません。
しかし子孫を残す為に必要に応じて共同生活が許されているのです。

そして今、僕は精霊の星出身のパートナーと二人の子供達と四人で生活をしている。

僕の家族の事を含め、この世界の事をこれから、僕という存在を通して出来るだけ沢山、この物語の中でお伝えしていきたいと思っています。

どうぞ末永く宜しくお願い致します。

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